剣が峰 日本最高峰(3776m)
前回からの続きです。久須志神社を出発して50分、残雪に阻まれそうになりながらついに日本で一番標高の高い場所に到着です。まずは、日本最高峰(3776m)の剣が峰の石碑です。



当然ここでみんな記念撮影ですよね。皆さん順番に並んで協力しあって撮ってます。富士山登頂成功すると人はみな優しい心になるんですかね。素晴らしい!!石碑越しには富士山頂部の火口、大内院が見えます。では、その他の様子もご覧ください。まずは富士山頂の二等三角点からいきましょう。
二等三角点
三角点とは測量のための基準として設けられた石柱で、一等から四等まで等級があります。山の高さを測る三角測量に用いられることから三角点と呼ばれているそうです。下の写真がそうですが、まぎれもなく日本最高地点にある三角点です。では、2枚目の三角点の説明書きがある石板を見てみましょう。


読み難いので文字におこします。
二等三角点 「富士山」
この標石は「三角点」といい、地球上の位置が正確に求められています。
三角点は、地図作りやいろいろな測量の基準として利用され、大変重要な役割を果たしています。
この三角点は日本一高い霊峰・富士山頂に位置することから、多くの人々に親しまれています。
平成14年4月1日から、三角点の位置を表す基準が日本測地系から世界測地系に変更され、緯度・経度の値が変わりました。
北緯 35度21分38.261秒
東経 138度43分38.515秒
標高 3775.63m
(注) その後の測量で標高はちょくちょく変わってます 2024年の測量では 3775.56mだったようです
平成14年8月吉日
国土地理院
と、書かれています。皆さんあれっ!!?と思いました?
標高 3775.63m(?)って感じですよね。四捨五入で3776mなのか?て
いえいえそうじゃないんです。この標高はあくまでも三角点が設置されている場所の標高です。じゃあ、じゃあ、日本最高地点はどこなんだよ!と思いますよね。正解の場所は三角点の奥(北側)の岩石なんです。そこには三角点を作れなかったので、その近くの地盤がしっかりした今の場所に設置となりました。国土地理院の発表によりますと、その最高地点の標高が3776.24m(平成3年測量)だそうです。つまり三角点の場所、剣が峰の石柱の場所が日本最高地点ではありません。その奥の岩石の頂が正真正銘の日本最高地点です。
と、ここでお話をしめたかったのですが、2002年に国土地理院が新しく電子基準点というものを設置しました。GPSを使って正確に測定する装置です。それは3mの柱の上に設置されているため、基準点としては一番高い標高(3777.5m)になったそうです。(わけわからなくなるので整理しましょう)
分かりやすい写真が無いので国土地理院さんのHPより写真と分かりやすい図をお借りしました。


手前 三角点(3775.56m) 奥 電子基準点(3777.5m) その間の岩石 最高地点(3776.24m) となります。
これに関する国土地理院の発表です。
表日時:2002年09月12日(木) 14時00分
国土地理院(院長 星埜由尚[ほしの よしひさ])は、9月12日(木)に、富士山へ初めて電子基準点を設置しました。今回設置した電子基準点は、これまで最も標高の高いところにあった基準点である二等三角点富士山(標高3775.6m)から少しはなれたところに設置しています。電子基準点のピラー(柱の部分)は約3mありますので、電子基準点の標高(アンテナ底面)は3777.5mになります。従って、今回設置した電子基準点富士山は二等三角点富士山を抜いて日本一高い基準点となりました。これまで、電子基準点として最も標高の高いところにあったのは、立山山頂西斜面の室堂に設置された電子基準点「立山」(標高2432.6m)でした。
なお、これにより一般に知られている富士山の標高3776mを変更することはありません。


奥の岩石。登山客が荷物を置いたり、覗き込んでいる場所が日本最高地点になります。
皆さんも忘れずにこの地点はチェックしましょう。しかし、もっと何か説明が書いてあればいいのですが。。。これじゃ見逃しちゃう登山客も多いですよね。登頂時、私はこの事を知らなかったので、能天気に石柱の場所でのみ記念撮影して喜んでしまいました(泣)本当の最高地点、次回登頂時に確認してきます。
ちょっと難しかったですね。お疲れ様でした。
では、何も考えずに!富士山山頂火口(大内院)の様子です。1枚の写真におさまりきらない程の大迫力です。この火口の最深部は200mほどあり富士山の8合目あたりに相当します。


真夏でも残雪、雪渓もあり標高の高い場所にいるのを実感します。
旧富士山測侯所

旧富士山測侯所 アップすぎますので少しひいた場所からの様子をご覧ください。

左上にあるのが旧富士山測侯所で、それがある頂きが剣が峰です。現在はその役目を終えて麓の富士吉田の富士山レーダードーム館に移築されています。2004年まで有人観測がされていました。気象衛星時代の前は台風の予測等に大変役にたった貴重な施設です。
その建築の様子は富士山レーダードーム館のシアターで上映されています。
またNHKのプロジェクトXの第1回放送が
”プロジェクトX 挑戦者たち 巨大台風から日本を守れ ~富士山頂・男たちは命をかけた~”です。DVD等も販売されていますのでご興味のある方は検索してみてください。すぐに見つかります。
現在は、NPO法人『富士山測候所を活用する会』の方が高所での様々な研究に使われています。興味のある方はこちらのHPをご覧ください。情報満載のページですよ。
私的お勧めは630円とお安い入場料で富士山レーダードーム館に入ってシアタールームに行って 「世界最大のレーダー建設」(50分間)上映時間:10:00/13:00/15:00
内容:富士山レーダーができるまでのドキュメント を見るのがお勧めです。
さあ、名残り惜しいですが剣が峰の石柱で記念撮影が終わって、日本で一番標高の高い場所を堪能したら次に進みましょう。
今回の左回りのお鉢めぐりでは、最難関の馬の背を下ります。転倒続出です。最大限のご注意を!
馬の背(お鉢めぐり左回りの下りバージョン)

馬の背を下から見た様子です。ここを登るか、下りか。判断は皆様にお任せします。お好きな方を選んでお鉢のまわる方向をお選びください。(私は転倒しても下る派です)




さぁ、これだけ写真あげとけば、皆さんも登頂する前に判断できますか?慎重にしっかり考えて決めてくださいね。(私は転倒しても下り派ですが、激しく登りを勧める方もいらっしゃいます)
次回は無事馬の背を下り終えた後の続きのお話をしたいと思います。
さぁ! あなたも旅に出たくなったら、まずは宿探し! 車探し! いい旅になりますように!
なんと!吉田口ルートだけ電気自動車はマイカー規制の対象外です!電気自動車のレンタルは有効ですよ!




