5月中旬~6月上旬だけ富士山に現れる幻の滝




富士山には川がありませんが、5月中旬~6月上旬の間のみ期間限定で現れる幻の滝と呼ばれる滝があります。富士山の色々な場所で出現しますが、その中で最も有名だと思われる、須走の幻の滝をご紹介します。
まずは幻の滝が出現する仕組みからお話します。
富士山の山体は火山活動で噴出したスコリアに覆われているため、雨水や雪解け水はその山体にすぐに浸み込んでいきます。それが10年、20年と山体で綺麗な水に濾過されて麓の色々な湧水地に湧きだしているのは以前お話したかと思います。
その為、富士山には通常川はありません。雨水はすぐに浸み込んでしまうのですから。
では、なぜこの時期だけ川が流れ、滝が出現するのか?
この時期山頂付近にはまだ雪渓が残っています。これは麓からでも確認できます。この雪渓の雪解けの水が流れていくのです。いやいや水はすぐに富士山に浸み込むって、さっき言ってたじゃんと怒られそうですが、幻の滝が出現する場所は不浄沢と呼ばれる沢になっていて、しかもその沢の表面は溶岩が固まって岩盤状になったものが地表に露出しています。ここは水が地中に浸み込み難いため雪解けの水が川となり流れはじめ、落差のある場所では滝になるという事です。
わかり難いかと思いますので、水が流れ始めた頃の岩盤の様子をご覧ください。


これが地表の露出した岩盤状になった溶岩です。見るからに水は浸み込まなそうですよね。
幻の滝出現エリアはこのような岩盤がある程度の幅で、かなり長い距離(上下に)露呈している為、川になり滝になるのです。
この写真を見て、ちょっとあれっ?なんでほとんど水が流れてないの?と思うかと思いますが
実は、滝が出現する時でも1日中流れているわけじゃないんです。
私も何度か訪れていますが、お昼前頃から流れ始めるよ。なんて事は聞いていましたが、天気が良くて温度があがる日だったら大丈夫だろうと、午前中の早めの時間に行った事があるんです。その時の写真なのですが、山頂にはまだ雪がしっかり残ってるのに?本当なんですね。イメージ的には滝が出現する頃はいつでも流れてるイメージだったんですが、流れるのはお昼頃中心で山頂の雪解けがしっかり進む時間帯だけだったんです。身をもって実感致しました。幻と呼ばれる所以ですね。
では、滝に様子をご覧ください。下の方に動画も貼り付けておきました。







この上の写真の左側はしっかり雪渓が残ってました。毎回この場所には雪が残ってます。
幻の滝の最下部からしばらく山頂方面に登った場所になります。がんばって登ってください。
早い時期だと幻の滝の最下部辺りにも雪渓は残ってますよ。


この辺りは歩くのを気を付けてください。雪渓の上を歩くなんてもってのほか。あまり近づき過ぎて足を滑らせでもしたら大変な事になります。かなりの水量と勢いがある時期だと流されちゃいます。
下の動画は訪れた年、時期、時間が違います。
水量の違い、水の流れる音の違いがよく分かると思います。
今日は写真ばっかり沢山載せたのでお腹いっぱいになりましたね。
次回滝への行き方や、富士山中腹から見える景色等、ご紹介したいと思います。
さあ、皆さん約1ヶ月くらいの期間限定の幻の滝です。おにぎり持って、見つめてるだけで半日はあっという間に過ぎちゃいますよ。是非お出かけください。
さぁ!あなたも旅に出たくなったら、まずは宿探し! 車探し! いい旅になりますように!




